Column / Stems
同期用の音源、どう渡す?
ステム書き出しの準備
ライブで同期をやると決まったら、次はオケの元になる音源の用意です。マニピとして受け取っている形と、受け取ったあとにやっている整理をもとに、渡す前にここまでやっておくと話が早いポイントをまとめます。
音源はどんな形で届く?
届いたデータは、まず曲ごとのフォルダにまとめます。ファイルの名前は、作った人が付けたまま変えません。
名前を変えないのは、あとで元のデータと見比べられるようにするためです。
名前の付け方は人によってさまざまです。たとえばこんな形があります(曲名は仮のものです)。
| 付け方 | ファイル名の例 |
|---|---|
| 曲名+パート+日付 | SongA_Drums_1025.wav |
| 番号+パート | SongB - STEM - 01 Drums.wav |
| パート名だけ | DR STEM.wav/GT1.wav |
曲ごとのフォルダに入っていれば、どの形でも困りません。
2mix・ステム・パラ、どれで渡す?
本番で何を別々に動かしたいかで決めます。迷ったらステムで十分なことが多いです。
2mix はオケ全体を左右2本にまとめたもの、ステムはシンセ・コーラスなどグループごとにまとめたもの、パラはトラックを1本ずつ書き出したものです。違いは同期ってなに?で図にしています。
| こうしたいなら | 渡すもの |
|---|---|
| オケが流せればいい | 2mix |
| グループごとに音量を変えたい | ステム |
| 曲によってパートを抜き差ししたい | パラ |
細かく分かれすぎていても大丈夫です。受け取ったあと、こちらで役割ごとにまとめ直します。

実例:届いた40本のうち、本番で使ったのは21本
曲の制作側から届くデータには、ライブでは使わないファイルもたくさん混ざっています。中には、届いたファイルが40本ある曲もありました。そのうち本番で鳴らしたのは21本です。
外したのは、たとえば次のようなファイルです。
- 最初から最後まで音が入っていないファイル。たとえば、制作の途中で使うのをやめたシンセの「Synth3.wav」
- ほかのファイルと同じ音が入っているファイル。たとえば、ドラム全体の「Drums.wav」があるのに、同じ音を1本ずつに分けた「Kick.wav」「Snare.wav」も届いている
- 仕上げる前の、録っただけの音。たとえば、音作りをする前のギターの「Gt_DI.wav」。音作りをしたあとの「Gt.wav」が別にある
残したファイルは、ステムで持つかパラで持つかを決めました。基準は、本番でそのパートだけ音量を変えたいかどうかです。
| パート | 分け方 | 理由 |
|---|---|---|
| ギター | パラ | ステージで弾くギターと重なるので、曲ごとに音量を変えたり、消したりしたい |
| ドラム・ベース | ステム | 本番で個別に音量を変えない。作った人が決めたバランスのまま鳴らせる |
| シンセ・効果音 | ステム | 同じく個別に変えない。まとめれば本数が減る |
パラは細かく調整できる反面、本数が増えます。本数が多いほど、パソコンの負担も、本番前に確認する手間も増えます。
本番で触らないパートは、ステムにまとめておくほうが安全です。
その日に出演しないメンバーのパートも、消せるように分けておきます。外したファイルは元のデータに残っているので、あとから必要になれば戻せます。
渡す側は、自分で選ばなくても大丈夫です。届いたものを全部送っていただければ、こちらで本番用に絞ります。そのときに「この曲はギターを2本重ねている」「サビだけコーラスが増える」のようなメモが1枚あると、確認がかなり早くなります。
書き出すときは、頭と長さをそろえる
いちばん大事なのは、全部のファイルを同じ位置から、同じ長さで書き出すことです。
サビから入るコーラスも、曲の頭からの無音ごと書き出します。こうしておけば、頭をそろえて並べるだけで元どおりに重なります。
ほかに気をつけてほしいのは次の3つです。
- 形式は 48kHz/24bit の WAV(mp3 は確認用だけに)
- ファイルごとに音量を自動でそろえる処理(ノーマライズ)はかけない
- 全体にかけるコンプやリミッターは外し、確認用の2mixを1本付ける
曲ごとの音量差は、本番前にこちらでそろえます。
クリックとテンポは、メモがあれば十分
クリック(テンポを刻む音)とガイド(「サビ・2・3・4」と数える声)は、こちらで作れます。無理に用意しなくて大丈夫です。
用意する場合は、オケと混ぜずに別のファイルにしてください。客席に出さない音なので、混ざると分けられません。
代わりに、曲ごとに次のメモがあると作業がかなり早くなります。
- テンポ(途中で変わるなら、どこで何に変わるか)
- 拍子が変わる場所
- ファイルの何秒目が曲の1小節目か
- 構成(「イントロ8小節、Aメロ16小節…」くらいで十分)
メンバーが生で弾くパートやメインのボーカルも、捨てずに別ファイルで付けてもらえると助かります。リハで聞き比べたり、来られない人の代わりに鳴らしたりできます。
ありがちなミス
受け取ってから時間がかかるのは、だいたい次の2つです。
- 鳴り始めの位置から書き出していて、並べても重ならない(耳で合わせ直すことになる)
- 音が入っていないファイルや、同じ音のファイルが混ざっている(1本ずつ聞いて確かめることになる)
どちらも、頭をそろえて書き出し、テンポのメモを付けてもらえれば防げます。
書き出し方が分からない、整理する時間がない、という場合は、データを受け取ってこちらで整えます。ステムで1曲¥6,000、Ableton/Logic を開けばそのまま鳴る形なら1曲¥10,000です。料金はすべて税込・交通費別です。→ 料金を見る
この仕組み、次のライブから使えます
日程・会場・メンバーの人数を教えてもらえれば、必要なものと費用をお伝えします。機材はこちらで持ち込んで、設営と調整までやります。オケのデータ作りは1曲¥3,000〜、イヤモニは1人¥8,000〜(税込・交通費別)。初回の相談は無料です。
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